Dartmouth MBA 合格体験記

留学先:ダートマス (Tuck MBA)

大学院出願準備記(出願エッセイ、インタビュー対策など)
MBA合格体験記 No.195






TOEFL: 280
GMAT: 640
私費: ソフトウエア会社勤務7年 
学生時代、米国に1年交換留学

この度、Top校の1つであるTUCK School of Business at Dartmouthに合格することが出来ました。インターフェイスの皆様(ルクレアさん、松木さん、金崎さん、小貫さん)には大変お世話になり、心から感謝しております。 MBA受験を思い立ったのが約1年半前、非常に長い道のりでした。日々、会社での業務をこなし、また家族(妻、娘)を支えながらのチャレンジで、過酷な状況ではありましたが、一方で受験プロセスはある意味、自分のこれまでの人生を振り返り、今後のキャリアを再考するという意味で、とても貴重な体験でした。今、振り返れば、TOEFL、GMAT、エッセイ、インタビュー等、ひとつひとつのプロセスをむしろ楽しみながらやってきたと言えるかと思います。以下、この1年弱の間で私が感じたことや受験アドバイス等、今後、MBA受験を目指す方々にとって少しでも参考になれば幸いです。






[ スケジュール—The Sooner, The Better ]

スタートは早かったと思いますが、GMATにはまり、結局スコアメイクできないまま9月にエッセイに着手しました。無謀な試みでしたが、結果として良かったと思います。エッセイのベースが固まるまで意外と時間がかかり、満足行くエッセイが仕上がるまで何度も推敲を重ねるからです。1、2ヶ月遅れていれば、出願に間に合わなかったかもしれません。出願する大学の数(正確にはエッセイの設問内容)にもよりますが、スコアメイクは8月までに終了させるのが一般的だと思って下さい。

2002年10月 漠然とビジネススクール進学を思い立つ
2002年11月 TOEFL 開始(渋谷P校)
2003年2月 TOEFL終了、GMAT開始(渋谷P校)
2003年5月 インターフェイス見学、コース説明を受ける
2003年8月 GMAT 640
2003年9月 GMATスコアメイクならずも、エッセイコースを開始。レジュメ、Why MBAエッセイ着手。
2003年10月 エッセイ作成
2003年11月 エッセイ作成
2003年12月 エッセイ作成、出願開始
2004年1月 出願ピーク(合計6校出願)
2004年2月 TUCK 面接(東京)
2004年3月 TUCK 合格通知






[ Essay—-まずは自己分析を入念に。エッセイはパーソナルでオリジナルなものを! ]

カウンセラーはLeClairさんでした。氏が米国滞在中のため、全てE-mailでのカウンセリングとなりました。最初、Face-to-faceでないと自分の考えがカウンセラーに充分伝わらず、やりずらいのではないかと正直不安でした。正式にアサインされる前、Face-to-faceでお願いできる他のカウンセラーにしようと一度検討したこともあります。しかし、合格体験記を書かれた過去の先輩方のコメントを読み、特に問題なさそうでしたので、最終的にLeClairさんにお願いすることに決めました。以降、E-mailだけのやりとりとなりましたが、不安に感じたことも、大きなミスコミュニケーションが生じたこともありません。むしろE-mailの方が、考えを事前に整理した上でカウンセラーに確認できるという利点があるかと思います。 Interfaceでは通常のエッセイカウンセリング時間以外に、E-mailでエッセイや出願スケジュールについて質問できるサービスがあり、私はこれを重宝しました。ほぼ毎日といっていいくらい、ルクレアさんに質問メールを出していました。

私がルクレアさんにカウンセリングをお願いして良かったと思うのは以下の点です。

1). ポイントを突いた端的かつ、クリアなエッセイに仕上げるための添削アドバイス
私はシステムエンジニアという職業柄か、エッセイを書き始めた当初、やたらとDetailに凝り、分析チックなエッセイを書く傾向がありました。しかし、これでは読み手に自分の意見が端的に伝わらず、インパクトが弱くなります。ルクレアさんにはこの点を指摘して頂き、最終的にクリアでインパクトのあるエッセイに仕上げることが出来ました。エッセイを書いて学んだことは、優れたエッセイはパラグラフの文頭を読んだだけで考えがクリアに伝わるものです。推敲を重ねた最終エッセイはあっけないほど短い文章に収まってしまうものですが、行間から書き手の考えや気持ちが充分伝わってくるものです。

2). 長年に渡るカウンセリング経験と合格実績から、各ビジネススクールのカルチャーやトレンド、アドミッションの求める人物像等を理解しており、各スクールに必要なエッセイの合格クオリティーを把握している。

他の予備校のカウンセリングサービスを受けたことがないため分かりませんが、ルクレアさんを初めとしたインターフェイスのカウンセラー陣の良さは、単にエッセイを書くためだけの文章アドバイスではなく、アプリカントの長所・短所(職歴、バックグラウンド、GMAT、キャリアパス)を把握した上で、出願する大学にあったストラテジーを立て、きめ細かなエッセイカウンセリングを受けられることだと思います。これは、英文を機械的にいじる程度で、肝心な中身への指摘が少ない他のエッセイサービス機関と大きく違うところでしょう。

エッセイはMBA受験の中で、合否を決める最も重要なファクターと言って過言ではありません。低GMATで合格できたのも、私だけのオリジナルエッセイが書けたからだと思っています。そこで、今後、エッセイに取り組まれるであろう皆さんのために、インターフェイスで学んだことを含め、エッセイを書く上でのポイントをまとめます。






[ Why MBA? (Short and Long Term Goals) エッセイ ]

・ 書く前にブレーンストーミングの時間を充分取る。自己分析を行い、自分の強み、弱みを把握する。また、これまでの仕事を通じ、何を学び、何が課題と考えているかを整理、分析する。
・ 過去、現在、将来といった流れを意識して書く。将来と現在のGAPを埋めるものがMBAであることが論理的に説明できていること。
・ Career Goalsはできるだけ具体的に書く。また、What(何を目標とするか)やHow(どうやって達成するか)以上に、Why(なぜその目標が大切なのか)が大事。つまり、自分の求める信念やビジョンまで踏み込んで書くこと。

Why MBA?のエッセイは一番重要なエッセイですが、それだけに時間がかかるエッセイだと思います。これは、書く前のブレーンストーミングが大事だということでもあります。インターフェイスでは、カウンセリング時間が限られていますので、ある程度自分でネタだしするしかありません。そこで、この場を借りて恐縮ですが、ブレーンストーミング用に1冊の本を紹介したいと思います。

「ビジネスリーダーへの キャリアを考える技術・つくる技術」 グロービス(著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492531130/qid=1083139342/sr=1-15/ref=sr_1_2_15/249-7779257-2694758

これはエッセイ本ではなく、キャリアプラニングの本です。自己分析から始まり、自身の価値観の把握、エピソード体験の洗い出し、マーケット分析、ビジョンの確立、キャリアパス選択といった設問に沿って、ブレーンストーミングしていくものです。この本のおかげで、私はエッセイを書くためのネタだしがスムーズに進みました。また、キャリアを再考する上でも非常に良い本ですので、一度お読みになることをお勧め致します。






[ Contributionエッセイ ]

・ オリジナルなコンテンツと視点で、具体的にどのようにクラスにContributionできるのかを書く
・ 一般的なトピックでも、少し視点をずらして書くことでユニークな内容になる
・ 自己のヒストリー(過去、現在、将来)を意識して書く

参考までに私の例を少しお話します。学生時代、経営工学を専攻しました。そこで、経営工学のフィロソフィー(理論と実践、技術と経営の融合、Action -learning)やInterdisciplinary的アプローチ、モノ作りの生産性を高める工学的手法等が、現在のシステムエンジニアの仕事に役立っていること、また顧客の抽象的なシステム要求をビジュアルにクリアに表現するコミュニケーション能力(世界標準のUML言語など)や、ファジーな事象をシステム的に抽象化、構造化するフレームワーク思考を日々の顧客の問題解決の中で磨いてきたことなどを図入りで説明し、こういったエンジニア的な視点、発想、アプローチ、コミュニケーション力がビジネススクールで取り上げる諸問題の整理、分析に役立つだろう、みたいなことを書きました。

コミュニケーション能力にしても、単に漠然と表面的な会話能力について書くだけではインパクトがなく、面白みもありません。要は、一般的なトピックでも少し視点をずらして書くことでユニークなコンテンツになるということです。それから、自分が長年培ってきたことがどのようにクラスに貢献できるのかを具体的に(多少こじつけがあるにせよ)書くことです。






[ その他、エッセイ全般 ]

・ エッセイの質問の意味を正確に捉え、質問と回答に整合性が取れていること
(Why MBA?のエッセイでは、出願するに至った経緯を聞くものあれば、将来のキャリアを中心に問うものもあり、質問の意図が微妙に異なります。また最近の傾向として、質問の前に1パラ程度の文章が与えられ、その文脈を把握した上で回答する、というのもあります)
・ 書き手の信念や人となりがにじみ出る、パーソナルなエッセイであること
・ パーソナルな点に意識しつつも、客観的でバランスの取れたエッセイであること
・ Why our school? の質問には、あらゆる手段(Web, Alumni, Campus visit等)を使って学校情報を調べ上げ、志望校で学びたい熱意を最大限に示すこと
・ エッセイには見出しやアンダーライン等を入れ、出来るだけ読みやすいものにする






[ インタビュー—最高のアピールの場、最後のKiller Questionsも忘れないで! ]

インタビュー対策はインターフェイスの他のカウンセラーにお願いしました。エッセイに自信はあったものの、何しろGMATが低かったため、インタビューでアドミッションに好印象を与える以外に合格はないと考えていました。幸いスピーキングには自信があったので、ここは私にとって絶好のアピールポイントでした。しかし、インタビューはとにかくしゃべりまくればいいというものではありません。面接官の質問に的確に答え、会話の流れを抑えながら、上手に(できればEntertainingに)話を展開できるかがポイントだと思います。また、言葉だけでなく、自分の熱意や姿勢といったものを全身で表現することでしょう。それと、少しだけ人とは違った面を意識して話すことです。30分という限られた時間で自分をアピールすることはとても難しいですが、トレーニングを積むことで理想の形に近づけることは可能だと思います。インタビュートレーニングでは、ストーリー展開の仕方だけでなく、自分では気づかない面接中のくせ(面接官にネガティブな印象を与える言葉使いやジャスチャー等)や、面接の最後に必ず聞かれる質問(Killer Questions)の練り方、等についてアドバイスを貰いました。このKiller Questionsはとても重要で、長年トップ校に合格者を輩出してきたカウンセラーも念を押しています。平凡な質問をしては面接官に逆にマイナスに映りますので、私はWeb等で徹底的にリサーチをしながら、何度も質問内容をDevelopしました。(余談:Webで情報収集していた際、Tuckの Deanによる将来のビジネススクール構想の話や、Admission Directorがとあるサイトに語っていた重要コメントや自身の小話等をたまたま見つけ、本番面接のKiller Questionsで触れたところ、話が盛り上がり、面接官に親近感を与えつつ、面接をうまく締めくくることが出来たと思っています。私の勝手な思い込み?かもしれませんが・・・)






[ インターフェイスの良さ—豊富なリソース ]

私は主にエッセイとインタビューコースでインターフェイスを利用させて頂きましたが、GMAT模擬テストを始め、著名カウンセラー陣による各種オリエンテーション、出願マニュアルのダウンロード、過去の合格者エッセイ閲覧、インタビュー対策マニュアル/本番質問集の配布、Alumniによる学校説明会の開催等、豊富なリソースやサービスがインターフェイスにはあります。(その他、読み終わった過去のBusiness week誌がフロントで貰えるため、私は英語の勉強用にたくさん持ち帰りました。(^0^))デバリエ社長からタイムリーに届く受験情報のメールや励ましのメールも為になりました。MBA受験はある意味、情報戦です。年々受験も厳しくなり、どれだけ多くの情報を早く入手して出願戦略を立てるかがひとつのポイントですので、インターフェイスが提供してくれる豊富なリソースを使わない手はないでしょう。






[ 最後に—自分の持つポテンシャルを全て発揮すること ]

3 月に志望校であるTUCKから合格通知を頂くことが出来、カウンセラーのルクレアさんを始め、親身になって対応頂いたフロントの方々(松木さん、金崎さん、小貫さん)には心から感謝しています。ビジネススクールへの進学を考えていらっしゃる方、どこのカウンセリングサービスが良いか迷っている方、受験に行き詰まりを覚えている方、どんな悩みや疑問をお持ちの方でも結構ですので、一度インターフェイスを訪ねてみて下さい。きっと、皆さん1人1人にあったプログラムやカウンセラーを紹介してくれると思います。

最後になりますが、これからMBA留学に挑戦する方々のために、私から励ましの言葉を贈らせて頂きます。

“To give anything less than your best is to sacrifice your gift.”
“You run best when you run free.”
— Steve Prefontaine, Olympic Athlete

これは米国で1970年代に活躍し、歴代の陸上記録保持者であるオリンピック選手、スティーブ・プリフォンテーンの言葉です。“ベスト以下のパフォーマンスでは、自分の才能を無駄にしている、つまりポテンシャルを発揮してこそ、人間は生きる価値がある、そしてそのポテンシャルを発揮できるのは、自らを自由に表現できたとき”、とそんな意味の言葉です。

GMATもふるわず、相当不利な状況下、私はこの言葉を胸に、最後の大舞台である TUCKの面接に臨みました。面接ではプレゼン資料や家族紹介の写真等、ありったけのマテリアルを交え、Killer Questionsを連発し、自分の持っているものを全て出し切りました。面接官とも息が合い、最高の自分を表現できたと思っています。

受験も年々厳しくなっていますが、皆さんも持ちうる能力を全て発揮し、MBA留学に挑戦して下さい。GMATだけで全ては決まりません。総合力とパーソナリティーで勝負、最後はその人の信念にかかっています。この体験記を書いている今は4月、外は桜で満開、皆さんも1年後には是非大きなサクラを咲かせて下さい!!皆さんのご健闘を心からお祈り致します。

尚、渡米後の留学生活を下記サイトで更新しています。ご参考までにどうぞ。






[ ダートマス留学記 ]
http://mytucklife.exblog.jp/

以上





大学院留学 合格体験記
Dartmouth TuckMBA(タックMBA) Class of 2006